2012年7月6日(金)青森県弘前市弘前城の弘前城植物園にて、「薪能」(タキギノウ)が開催されます。
今回はその中の演目、能「船弁慶」(前後之替)について少しご紹介します。
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「船弁慶」のあらすじ
兄・頼朝との不和から、わずかな従者を連れて都落ちとなった義経一行が大物の浦に着きます。ここまで一緒についてきた静御前ですが、弁慶の進言により都へ返されることとなり、義経の無事を祈りながら名残の舞を舞い、涙ながらに別れを告げます。
義経一行が船出すると、にわかに海上が荒れ始め、浪間に現れた平家一門の亡霊が襲い掛かってきます。
静御前が優美な舞を見せるシーンと、平知盛の怨霊が荒々しく立ち回るシーンを、1人のシテが対照的に演じ分けるという、みどころの多い傑作です。
※「シテ」とは
能の主人公は「シテ(為手、仕手)」と呼ばれ、神や亡霊、天狗、鬼など超自然的な存在を主に演じていた。生身の人間を演じることもあり、超自然的な存在を演じる曲を夢幻能、シテが現実の人間を演じる曲を現在能と呼ぶ。
観世 銕之丞さん(かんぜ てつのじょう)
今回シテを勤める観世銕之丞さんのプロフィールをご紹介
観世流シテ方。1956年東京生まれ。八世観世 銕之丞静雪(人間国宝)の長男。伯父観世寿夫および父に師事。
1960年初舞台、2002年九世観世銕之丞を襲名。2008年平成20年度日本芸術院賞を受賞。2011年紫綬褒章を受章。