弘前公園のチーム桜守
日本三大桜名所の1つとして知られる青森県弘前市の弘前公園。日本最古のソメイヨシノを始め、約2,600本の桜の木が並んでいます。
その桜を守り、育てているのが、弘前市公園緑地課「チーム桜守(さくらもり)」です。
日本一のリンゴ生産地弘前で生まれた管理方法「弘前方式」
ソメイヨシノの寿命は、60年だと言われ、実際に弘前公園でも明治時代に植えられた桜が昭和期に入ると徐々に衰え始めていました。1952年(昭和27年)、弘前公園管理事務所(現・弘前市公園緑地課)の、実家がリンゴ農家だった職員が、弱った桜の枝をばっさりと剪定し、根元に肥料を入れる出来事がありました。
当時は、「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」のことわざがあるように、元来、桜は切り口から病気が入りやすく、強い剪定は御法度とされていた時代。しかし、翌年には切り落とした枝先から若芽が芽生え、徐々に樹勢が回復。その光景をみて、公園管理事務所の初代所長であった工藤長政氏は、リンゴ農家に教えを請い、自らも研究を開始しました。桜とリンゴは同じバラ科であり、日本一のリンゴ生産地弘前ならではの「弘前方式」が育まれていったのです。
その後、「弘前方式」は職員に代々受け継がれ、弘前公園の桜を管理してきました。市の担当職員1人が年間の桜の管理方針を決めていましたが、担当者が退職したり、病気になったりしても適切な管理ができるようチームで管理することを決め、2014年4月からは樹木医が「チーム桜守(さくらもり)」として弘前公園の桜の管理はもちろんのこと、桜以外の樹木も含め植物全般の管理を行っています。
「弘前方式」とは、「若返り」を基本理念とし、(1)剪定(せんてい)(2)施肥(肥料を根元に入れる)(3)薬剤散布を3本柱に、桜の管理を徹底して行っています。弘前公園では現在も樹齢100年を超えたソメイヨシノが多く存在し、毎年ボリュームのある見事な桜を咲かせています。これもひとえに、「チーム桜守」を中心とした公園職員たちの管理によって支えられているのです。
弘前公園の桜を守り、育てる人々 弘前「チーム桜守」
日本三大桜名所の1つとして知られる青森県弘前市の弘前公園。日本最古級のソメイヨシノを始め、約2,600本の桜の木が並んでいます。その桜を守り、育てる「桜守」と呼ばれる人々、弘前市公園緑地課「チーム桜守」の活動を、1年通して記録した映像です。
※映像は2018年に公開されたもので、現在の職員とは異なります